皆さんこんにちは!「いちあっぷ」でイラスト講座を連載しております、イラストレーターの安田昴です。
デジタルイラストの色の塗り方は人それぞれ、独自の個性や魅力を演出できるポイントの一つです。今回は私流のカラフルな髪の塗り方を、メイキング形式でご紹介したいと思います。
▼目次
はじめに
髪の塗り方メイキング
その① 前髪の透け感を出す
その② ハイライトを入れる
その③ ハイライトを強調する
その④ ハイライトの下に影を置く
その⑤ 頭の丸みを強調する
その⑥ 後頭部を暗くする
その⑦ 頭頂部を明るくする
その⑧ 一番奥の暗い部分を塗る
その⑨ 仕上げ
まとめ
はじめに
まずは、円柱を用いて塗り方の概要を簡単に説明します。この円柱は灰色です。同系色だけで光や影を表現すると左のようになりますが、右図のようにハイライト、シャドウ、反射光に色をつけることにより情報量を増やすことができます。
この考え方を使い、髪の塗りにも情報量を増やし、パッと見て華やかさ、鮮やかさがある画面作りをしてみましょう。ここからはいよいよメイキングに入ります。
髪の塗り方メイキング
その① 前髪の透け感を出す
レイヤーを重ねていくことで色を増やしていきます。前髪の透け感を出すために、肌色を顔周りにぼんやりとおきます。
その② ハイライトを入れる
一番明るいハイライトを入れます。自然な光の色として、黄色をレイヤー効果のスクリーンで重ねます。いわゆる「天使の輪」を表現するつもりで、ポツポツと置いていきます。
最後に形を整える仕上げの工程が入るので、まずは使う色の設計図を作るつもりで色を重ねていきましょう。
その③ ハイライトを強調する
ハイライトの周りに赤色を入れて強調します。こちらはレイヤー効果のハードライトを使っていますが、単純にレイヤーの透明度を下げるだけでもいいと思います。赤色を入れると鮮やかな印象を高めてくれます。
その④ ハイライトの下に影を置く
乗算レイヤーで色の濃い部分を作ります。明るい色のそばには暗い色があると自然なので、ハイライトの近くに入れると画面が引き締まります。
その⑤ 頭の丸みを強調する
頭の丸みに沿って明るい部分を作ります。オーバーレイのレイヤーで黄色や肌色を入れていきます。乗算レイヤーで作った色も変わるので、さらに色数を増やすことができます。
その⑥ 後頭部を暗くする
さらに後頭部の暗い部分も作ります。こちらも頭の丸みに合せてオーバーレイのレイヤーで青色をいれていきます。乗算レイヤーで作った色ほど暗い色にしないことがポイントです。
その⑦ 頭頂部を明るくする
頭頂部にハードライトのレイヤーで黄色を入れていきます。天使の輪をもう一つ作るイメージです。こちらももう一つのレイヤーほど明るい色にしないことを意識しましょう。
その⑧ 一番奥の暗い部分を塗る
一番暗くなる奥の部分に、青色を入れていきます。青色は暗く見える特性があるので、鮮やかな青色を入れても影色として働いてくれます。
ここまできたら設計図は完成です!これまで作った色を使い、形を整えて仕上げに入りましょう。
その⑨ 仕上げ
設計段階で作ったレイヤーを統合、または一番上にレイヤーを新規作成します。
次に今まで作った色をスポイトで吸いながら、ハイライトやシャドウの形を筆などで整えていきます。髪の流れに沿って線を入れたり、全体を見て明暗を増やしたりしながら形を作り上げていきます。
今まで作った色を消し過ぎず有効活用するのがコツです。元の線も整えて、完成です!
まとめ
髪の塗り方メイキング、いかがでしたでしょうか?みなさんのお絵かきライフに役立てていただければ幸いです。
ここで使った色に囚われず、様々な色で自由に試してみると思いがけない成果が生まれるかもしれません。ぜひ楽しく色塗りしてみて下さい!
著・画 安田昴
フリーランスのイラストレーター。ソーシャルゲームの絵などを描きながらこちらで記事を書かせていただいてます。
CGデザイナーの経験あり。何かありましたらこちらにお願いします
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