フランスの漫画で世界を目指す! 日本での逆輸入の例 -前編- 

フランスの漫画で世界を目指す! 日本での逆輸入の例 -前編- 

こんにちは! フランスの漫画出版社Ki-oon(キューン)のキムです。本社はパリにありますが、東京にもオフィスを構えています。そこで日本人の作家と連携し、オリジナル作品の制作を行っています。その制作過程や宣伝、翻訳などに興味のある方はこちらの記事をご覧頂ければと思います。また、オリジナル作品の最新情報を発信するTwitterアカウント(@Kim_Ki_oon)も設けていますので、そちらも是非チェックしてみてください!

 

▽目次

フランスからの朗報:更なる漫画展開へ!

ライセンスのイロハ

日本への漫画の逆輸入に成功

 

フランスからの朗報:更なる漫画展開へ!

コロナウィルスで大変なご時世になってしまいましたが、明るいニュースもあります。ロックダウンの影響で二ヶ月も閉店を余儀無くされていたフランスの書店は5月に営業を再開した途端、行列ができるほどお客さんが殺到しました。デジタル漫画の市場が殆ど発展していないこの国では、読者がネット注文だけではなくローカルな書店を積極的に支援してくれています。そのおかげで、漫画市場はロックダウン前のレベルに戻って来ました。

 

もう一つの朗報があります。東京オフィスで作られた漫画が刊行され始めてから2年しか経っていませんが、アメリカ、スペイン、イタリア、そして日本でのライセンスが既に何件か決まりました!

 

元々弊社の創立時にフランスでデビューした筒井哲也先生(「マンホール」、「予告犯」、「NOISE」など)の作品が日本も含め、10カ国で刊行され、映像化もされて来ました。弊社はフランス市場のみならず、全世界での展開を視野に入れています。東京オフィスの設立を通して、オリジナル作品に力を入れ、点数を増やすだけではなく、その版権の営業に注力する狙いもありました。

 

発売済みの作品はこちらです。

ロスト・チルドレン

ロスト・チルドレン

▲「Lost Children (ロスト・チルドレン)」日本語版(著:隅山巴文) 秋田書店 別冊少年チャンピオンで連載中。

 

「Lost Children」:運命に叛逆せよ!本格派レジスタンスドラマがそこに繰り広げられる。

 

ビヨンド・ザ・クラウドズ

ビヨンドザクラウドズ

「BEYOND THE CLOUDS (ビヨンド・ザ・クラウドズ)」英語版 (著:にっけ) KODANSHA USA 。

 

「Beyond the Clouds」:心が暖かくなるこのスチームパンク冒険物語は老若男女を問わず人気が出ている。

  

新しい空の下で

新しい空の下で

「Sous un ciel nouveau(新しい空の下で)」スペイン語版(作画:平井志 / 原作:藤井慶) PONENT MON。

 

「新しい空の下で」:人間が変わる瞬間を描く感動的な短編集。1200万以上ものPV を集めた人気ウェブコミックの豪華な書籍化!    

 

ポスターのライセンスも売り、商品化も進んでいます。

 

Les Images dérisoires(レ・イマージュ・デリゾワール社)は何点かの「BEYOND THE CLOUDS」及び「TSUGUMI PROJECT(ツグミ・プロジェクト)」のサイン入りポスターを制作し、販売してくださっています。ちなみにオンラインでも購入できます!

「Tsugumi Project」:最強のサバイバルファンタジーの世界がそこに描かれる!

ライセンスのイロハ

ライセンスというのは、版権利用の一部の承諾です。弊社はフランスの出版社なので、第一市場はフランス語圏で、また、主に制作しているのは単行本です。

 

他の言語での刊行は、他国の出版社にその現地の言語での出版権利を承諾することで可能になります。同じく、映像化などの商品化に関しては、それを専門にする会社に一部の版権(実写映像化権利、フィギュア化権利、ポスター制作の権利など)を承諾し、漫画原作をベースに別の形で展開をすることもあります。

 

販売地域やフォーマット、価格などについては事前に交渉し、契約を締結します。版権の一部の承諾の代わりに、印税を払って頂きますので、著者にとっても、弊社にとっても更なる利益が得られます。

日本への漫画の逆輸入に成功

フランスも含め、漫画の文化が入って来た日本以外の国では、ライセンスを獲得し、作品を刊行するというのは以前からのことですが、日本の出版社が漫画の版権を積極的に購入し、他社の作品の宣伝に力を入れるという動きは革新的です。弊社の作品を真剣に読んでくださり、オファーを提出してくださった日本の出版社の方々に大変感謝しています。

 

▲「Lost Children」3話が別冊少年チャンピオン8月号に掲載された。元となったフランス語版の単行本よりサイズが大きく、圧力が倍になる。

 

「Lost Children」という本格派ダークファンタジー漫画の連載が6 月に開始されました。別冊少年チャンピオン 7月号の表紙を飾り、1話2話を同時掲載して頂きました。100ページ以上に渡り、「Lost Children」の世界が繰り広げられました。しかも、表紙イラストのQUOカードも宣伝用に作ってくださいました。感激です!

 

そこで後編では、弊社の作品に力を入れてくださった松山英生編集長にフランスからの逆輸入の出版について話を伺いました。

漫画企画を募集中です!

Ki-oon公式ウェブサイト(フランス語のみ) : http://www.ki-oon.com/

東京オフィス公式TWITTERアカウント(日本語):https://twitter.com/

 

東京オフィス連絡先:

代表名:キム・ブデン

住所:c/oフランス商工会議所

    〒103-0023 東京都中央区日本橋本町2-2-2 日本橋本町YSビル、2階

メール:[email protected]

電話番号:03-4500-6668
 

Ki-oonの東京オフィス代表キム・ブデンについて:講談社の国際事業局で四年半働いた後一旦帰国、三年半フランスの漫画出版社・PIKAの編集長として勤め、2015年の10月からKi-oonの在日オフィス代表として日本に戻り、現在に至る。

 

漫画企画を募集しています!

 

Ki-oonとの漫画制作に興味がありましたら、

・ストーリー

・世界観とキャラの設定資料

・完成したページ(最低限一話目)

をまとめ、ご送付下さい。